「舞台に立つ人でも緊張するんですか?」 美容師さんが僕に質問した。 これは少し前に美容室に行った時のことである。そこは初めて行く美容室だった。その時は次に出る作品のために髪型の制約があり、その流れで舞台の話になった。僕は「作品の話になったら面倒だなぁ(なんせその作品は仮面劇というマイナーな演劇だったので)」と思っていたのだけど、話は「緊張すること」についてになった。そしてそれは思いがけず面白いものになった。 「緊張しますよ。普通に。」 僕はそう答えた。 *** 美容師さん(以下「美」)「え、そうなんですか?てっきり緊張しないのかと思っていました。」 僕「いえいえ。むしろ緊張しない方がまずいと思っています。」 美「え、どうしてですか?」 僕「緊張するってことはチャレンジしてるってことなので、それはいいことだと思っているんです。」 美「なるほど、たしかに……!ちょっとアシスタント呼んできます。
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