村田諒太の世界王座獲得ならず―─。 20日、有明コロシアムで行われたWBA世界ミドル級王座決定戦は、ロンドン五輪金メダリストでランキング2位の村田諒太(帝拳)が1位のアッサン・エンダム(フランス)に1-2の判定負け。 村田が4回にダウンを奪い、試合を優勢に進めているように見えただけに、村田陣営の怒りは収まらず、多くのメディアは「不可解判定」とジャッジを非難、WBA会長が異例の“謝罪声明”を発表するなど、騒ぎが広がった。 日本ボクシング史上2人目となる金メダリストが、日本人選手2人目となるミドル級世界王者を目指した一戦を検証する。 まずはさっと試合を振り返ってみよう。村田は立ち上がり、エンダムのパンチになれるためにあまり手を出さず、ディフェンスを重視したボクシングをした。エンダムはフットワークを使って動きながら盛んにジャブを出し、時折右ストレート、右アッパーを打ち込むボクシング。村田はこれを