なぜCSVに至ったのか 2006年、マイケル・ポーター教授とハーバードケネディスクールのクレマー上級研究員は、それまでの本業での社会負荷を補うかのような、償いや保険のような受⾝的な活動としてのCSRではなく、戦略的にCSRを位置付けることで競争優位が実現すると主張しました。戦略的に社会問題に取り組むことでその活動を競争優位に結びつけ、企業も社会も双⽅がメリットを享受できると主張したのです。こうした主張は、さらに発展して2011 年、同じく「マイケルポーターとクレマーCSV」という「共通価値を⽣み出す戦略」として定義し直されます。経済的な価値を創出しながら、社会ニーズもそこに取り含み、社会的価値も創造するアプローチであるため、「共通価値の戦略」と名付けられたのです。これらは、今までの「企業の利益と公共の利益はトレード・オフ」(⼀⽅が⽴てばもう⽚⽅が成⽴しないジレンマ)として捉えていた概念を覆