これまでにも、イノベーションやスタートアップについては、様々な本が刊行されている。イノベーションについては、もはや語り尽くされた感さえある。我が国では何十年も前から、マネジメント層がお題目や念仏のように唱えているが、なかなかイノベーションを起こせないまま数十年が過ぎている。 2010年以降、スタートアップやベンチャー業界を取り巻く環境も随分と活況を呈し、起業するあるいは社会にイノベーションを起こそうとする人たちはかつてより確実に増えている。今回は、そうした人たち向けに気づきや考えるヒントとなる3冊を紹介する。 1.『ビジネス・クリエーション!』 ビル・オーレット(著)/ダイヤモンド社・刊 『ビジネス・クリエーション!』 私は、昨年、著者が来日して行った講演に参加し、直接話しを聞く会に恵まれた。我が国では、イノベーションはテクノロジーと関連してシリコンバレーだけが語られる印象が強いが、ニュー