相手の気持ちを考える、人に優しくする、他人を尊重する、相手の立場に立って物事を考える…等々。これは私たちが幼い頃からずっと教えられてきたことだ。 コミュニティや社会の中で他者と生きるためには、自分の意見だけ通そうとしたり、わがまま放題に振る舞ったりしてはいけない。協調性を養い、スムーズな人間関係を築くためにも、これらはもちろん必要なことだと思う。 こうして「他者の尊重」は当然のように共通の価値観として私たちの中に深く根付いている。一方で、「自分を大事にする」ことはどうだろうか。「自分を大事にしなさい」とは、案外教えられないように思う。 思えば私もいつも誰かに気を遣い、相手のことを考えて、その場にふさわしい言動を心掛けていた。そのうちに「相手がどう感じるか」、「相手にとって好ましいことか」、「人にどう思われるか」ばかり気にしてしまい、いつの間にかその判断基準は「自分」を上回るようになってしま