16歳の時、来日したジャズピアノの巨匠チック・コリアに見出され米国ボストンのバークリー音楽大学を首席で卒業、2011年32歳でアルバム『スタンリー・クラーク・バンド フィーチャリング 上原ひろみ』が第53回グラミー賞を受賞するなど世界で活躍中のジャズ・ピアニスト上原ひろみさん⬆。2021年に国立競技場で行われた東京オリンピック開会式において、ピアノ演奏をした姿は、我々の記憶にあたらしい。彼女の演奏スタイルは、縦横無尽で攻撃力抜群の力強いパフォーマンスが一番の魅力だろう。大音量のサウンドに、聴衆はジャズクラブで歓声を上げながら飛びはねる。30センチほども髪の毛を巧みに盛り上げたヘアスタイルをはじめ強烈なステージでの彼女のいでたちは、必要性に迫られた結果だと説明する。「1999年に米国に留学したのですが、そこで初めて、一部の人にはアジア人が皆同じに見えるんだ、と知りました。あるコンサートで演奏