吉見義明著 『買春する帝国 日本軍「慰安婦」問題の基底』 買春する帝国: 日本軍「慰安婦」問題の基底 (シリーズ日本の中の世界史) プロローグで、本書で問われる三つの問題意識についてまとめられている。「ひとつは、日本の明治維新直後の一八七二(明治五)年に「太政官布告」第二九五号を公布して性売買のための人身取引(奴隷的な性売買)を禁止したのに、その後もなぜ人身売買はなくならず、遊郭も歴史貫通的に第二次世界大戦後まで継続したのかということである。なぜそうなったのであろうか。そこには、買春を必要と考える政府・陸海軍・政治家や性売業者たちの意志と性売買を支える構造があると思われる」。 「第二の問題は、その背景には男性の買春(性買)を容認する強い意識があり、それが継続しているのではないかということである。いいかえれば、日本はとりわけ買春に寛容な社会のひとつであって、それを支える変わらない発想がある

