原発で使うウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の価格が、1体当たり10億円を超え、国内で導入を始めた1999年の最も安かったケースに比べ約5倍に高騰していることが16日、財務省の貿易統計などから分かった。MOX燃料は毒性の強いプルトニウムを含み加工が難しいため、製造を海外メーカーに依存した結果、価格が高騰したとみられる。 国の核燃料サイクル政策では、原発の使用済み燃料は再処理し、取り出したプルトニウムをMOX燃料に加工して再利用する。プルトニウムは核兵器に転用可能なため、余剰分は持たないのが国際公約だが、消費手段は現状ではMOX燃料だけ。同政策の維持のためには価格が高騰しても一定量、使用する必要があり、電力利用者ら国民の負担となっている。 原発で通常のウラン燃料ではなく、MOX燃料を燃やすプルサーマル発電は現在、関西電力高浜3、4号機(福井県)と四国電力伊方3号機(愛媛県)で実施。
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