「中国当局が中国人留学生に対し、技術情報窃取のターゲットを物色させている」 米連邦捜査局(FBI)がこのような懸念を報告書で公表したのは、2019年のことだった。 そして今年、ドイツにおいても、「中国の国費でドイツに留学する学生が、留学先の大学や研究機関でスパイ行為を働く危険がある」と教育相が懸念を表明、大学に警戒を促した。 各国に広がる中国への警戒感。ひるがえって日本はどうなのか。中国人留学生を利用したスパイ活動の実態について、官・民で諜報事案を捜査/調査した筆者が解説する。 中国人留学生のスパイ活動とは 中国の大使館・領事館は、中国人留学生に指示し、スパイ活動をさせたり、反体制活動の妨害を行っていると指摘されている。 中国大使館には、それぞれの国に存在する中国人留学生団体の幹部をスパイ工作に就かせる専門の担当者がおり、その優秀な幹部たちは中国政府の意向に従順で中国大使館などの命令を忠実
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