著者:河東哲夫(本誌コラムニスト、元外交官)、画像:JAPAN'S MINISTRY OF FINANCE 1ドル160円に迫った円安が突然反転した。背景に何があったのか。 1月下旬のある日、スイス・ダボス会議の席上でスコット・ベッセント米財務長官はキリンのように長い首を曲げ、傍らの片山さつき財務相に語りかけた。「サツキ、(日本の積極財政で)長期金利、急に上がってきたね。それでアメリカの金利も上がってきた。困っている(米国債の発行条件がきつくなる)。何とかならない?」 片山財務相は、ベッセントに顔を向けて言った。「スコッティー、分かったわ。何ができるか考えてみる。でも、それで円安が進むと困るのよね。これから総選挙なのに、インフレがひどくなっちゃう」──。 これは、1月20日のFOXニュースのベッセントへのインタビューから筆者が想像した対話。ダボス会議が閉幕した23日、日銀は政策決定会合で、

