帰る田舎をシェアする「シェアビレッジ」 両親の銀婚式のお祝いに、家族旅行をしようと思いついた。年齢を重ねた両親を連れるなら、「故郷」とでも呼ぶべき田舎に帰るのが最適なのかもしれない。しかし、私の両親は東京に移住して長く経つため、帰る田舎というものを持たない。そんな中で「シェアビレッジ」という行き先を提示したのは、母だった。 シェアビレッジとは? シェアビレッジでは、「村があるから村民がいるのではなく、村民がいるから村ができる」という考えのもと、消滅の危機にある古民家を村に見立てて再生させている。1つの家を多くの人で支えることができる仕組みを提供することで、全国の古民家を村に変えていきながら、「100万人の村」をつくることを目指すプロジェクトである。 「年貢」を支払うことで村人になる シェアビレッジの仕組みは、元来の村に沿っている。「年貢(NENGU)」と呼ばれる年会費3,000円を支払うこ