納豆、しょう油、ミソ、糠漬け、ワイン、チーズ、バター、そして私の大好きなカルピス--。これらに共通するものは何でしょうか? そう醗酵食品です。醗酵するといい味になるわけで、世界中にすばらしい発酵食品がある。でも、人間が醗酵してしまうとどうなるのか。そんな奇天烈な設定で、タイトルからして土肝を抜くのが、栗田信の『醗酵人間』である。 今回取り上げる『醗酵人間』は、これまで取り上げてきた「有名大家の珍作、意外な作品」という路線からは打って変わったものだ。編集部から難色を示されようが、一部の読者の皆さんに眉をしかめられようが、どうしてもこの本を取り上げて、その魅力についてきっちりプレゼンテーションしたかった。 何しろ、『発酵人間』は、「戦後最大の怪書」ともいわれるほどの、ものすごくイカれた本なのだ。それでいて、この手の本のマニアであれば皆が知っている、という意味では有名な本なのでもある。 いったい
![ヤフオクで40万円!『醗酵人間』の魅力とは?](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/fe7290d3be8b9091f30b53d2c06d5889c50493cb/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ftk.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F8%2Fd%2F1200w%2Fimg_8ddb174f15d27329586aacd285765db639423.jpg)