熊本県で発生した大地震で、自衛隊の先鋒(せんぽう)を務めたのはF2戦闘機だった。防衛省によると、航空自衛隊の築城基地(福岡県)から2機のF2が飛び立ったのは同日の午後9時47分。震災発生から21分後の緊急発進だった。その後、陸上自衛隊の初動対処部隊「ファストフォース」や輸送ヘリなどが現地に向けて派遣されている。 災害支援には関係のないようにも思える戦闘機だが、被災状況をいち早く確認する上では絶大な威力を発揮する。 空自の各基地ではF2をはじめ、F15、F4といった戦闘機が、命令から5分以内で発進できる態勢を維持している。本来は日本の領空に接近する所属不明機に備えた措置だが、大規模災害時には任務を変更。情報収集の先駆けとして急派される。 空自幹部は「広いエリアの被害状況を短時間で把握するには、機動性の高い戦闘機が最も効果的だ」と説明する。 パイロットは被災地上空をできるだけ低速で飛行し、目視