普通の生活をおくる人間にとって、普段、縁がなく、できれば一生関わりたくない場所の1つに刑務所がある。その刑務所の中でも、日本一の規模を誇る「府中刑務所」(東京都府中市)が、犯罪とは無関係の一般人でにぎわう日がある。それが毎年文化の日に開催される「府中刑務所文化祭」だ。普段、中を垣間見る機会がなかなかない刑務所だが、入場無料ということもあり、怖いもの見たさなのか、40回目の今年、集まった見学者は実に約1万8000人。「臭い飯」と伝わる受刑者の食事を再現した弁当を購入できるほか、受刑施設の一部を見学できる「プリズンアドベンチャーツアー」も人気だ。去る11月3日に開催された第40回文化祭に潜入してみた。 1000人以上が長蛇の列府中刑務所は、東京都西部・府中市の京王線府中駅から住宅街を北に抜けると突然現れる。高く長い塀に囲われた外観は、やはり少し近寄り難くもある。途中の道には、見学希望者だろうか