19世紀後半は、ヨーロッパで個性的な口ヒゲが流行った時代だったが、口ヒゲ紅茶愛好家たちにとっていろいろ問題が生じていた。 熱い紅茶を飲もうとカップに口を近づけると、ヒゲを固めているワックスが溶けてしまい、せっかくばっちり決めたヒゲの先端がだらりと垂れさがって、紅茶の中に浸かってしまう。さて、どうする? この問題を解決するために登場したのが、口ヒゲをガードするために特別な工夫がこらされた専用のカップだ。 ヒゲ置きつきカップの誕生 1860年代にこのカップを発明したのは、イギリス人陶器職人のハーヴィー・アダムス氏だ。 蝶のような形をしたいわゆる”ヒゲ置き”をカップの内部に取りつけた。もちろん、飲み口の穴もあいている。 この画像を大きなサイズで見る このカップはまずイギリスから始まって、ヨーロッパじゅうで売れまくった。アメリカでも、シアーズから、のちにメイシーズが経営することになるマーシャルフィ