量的緩和をリフレの手段と見るリフレ派は問題外としても、量的緩和に対する多くの理解は間違っている。 量的緩和の拡大により、金融緩和期待が高まり、国債金利が上昇していることを期待インフレ率の高まりとみなし、これが現実の足元のインフレにいつか反映されるはずだが、それがまだ実現しておらず、さらなる拡大により、これを実現するべきだ、というような議論は、根本的に誤っている。 もし教科書に載っている公式が常に現実にも成立していると考えるなら、米国において期待インフレ率は上昇していると考えられるかもしれない。 政策金利がほぼゼロである状況が維持されたまま、10年物国債の金利が2.5%から3.0%に上昇した場合に、この0.5%の上昇は、国債のリスクプレミアムが不変とするならば、期待インフレ率の上昇と解釈される。ここで為替の減価を考えないのは、米国ドルは基軸通貨であるというより投資における基準通貨という風に言