──14年間続く経済番組「ガイアの夜明け」を手掛けてきました。 ドキュメンタリーだけに現在進行形で取材し、放送に至る。途中でプロジェクトが中止になったり、取材している相手が外されたり、会社自体が不祥事を起こしたりで、頓挫した企画は何本もあった。最終形がどういう結論になるか、どんなメッセージが番組に込められるか、本当にやってみないとわからない。 ──ただし、歩留まりはいい? けっこういい。たとえば、平泉の文化遺産が世界遺産登録を狙った。取り組んだ最初の年には登録を取れなかった。しかし、当初の予定とはまったく違う内容になったが、それなりのメッセージ性があり放送に着地した。また本田技研工業のジェット機開発のように長期取材を続け、放映のタイミングをずっと待ち続けた例もある。 無名のビジネスパーソンを主役に ──メッセージ性も大事なのですね。 「ガイアの夜明け」は経済で新しい形の番組ができないかと始