躁状態は人生を破滅させる可能性が高いのですが、ときとしてこんなこともあります。 以下は故中島らも氏の回想録にある、中島氏の父君の話です。 おれが六歳か七歳のときに、兄貴と二人で庭で遊んでいると親父が急にスコップを片手にやってきて、高らかに宣言した。 「今からここにプールを作る。」 あっけにとられているわれわれ兄弟を尻目に、一人でザックザックと庭を掘り始めた。 断っておくが、おれたちは「プールが欲しい。」などとは一言も言ってはいない。親父自身が突如として、なんの前触れもなくプールを作りたくなったようなのだ。 おれたちにすれば「変なことをしているな。」としか思えなかったのだが、それでも親父は一人で穴をほって、セメントを流し込み、排水口まできちんと作って、一週間ほどでプールを作り上げてしまった。 プール付きの家に住んでいた、と人に大威張りできるほどの大きさでは無論ない。それでも子供にとっては十分
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