人は千差万別な事情があって大学院に通うことになるわけで、理由や動機はともかく入ってしまったが最後、史料/資料を集めることからは逃げられない。これには万人が同意してくださるところであろう。 今回、連載の機会をいただいたので、現役大学院生の図書利用術を、電子書籍やデジタルアーカイブを含めて紹介してみたい。名づけて「アーカイブ・ハック」、ようするにケチケチ利用術である。 「借りるより、ポチってしまえ 、ホトトギス」 新幹線片道2時間半の通信制大学院に遠距離通学しているため、大学の図書館はほぼ利用できない。先日、所属大学図書館で借りてみた(1冊2,400円の本)のだが、約月イチでの登校なので、期限である3週間に返却は間に合わない。期限切れになると同時に、ご丁寧に電話での「返却願い」が留守電で入る。返却したところ今度は「あなたの返却には不備がありました」とのメールがわざわざ送信されるほどの手厚さだ。