若さを係数にして、期待を上乗せするのは好みではない。 プレーヤーは(年齢にかかわりなく)プレーで評価を下さなければならない、そう思っているからだ。 確かに「17歳でのトップチーム昇格」や「高校生Jリーガー」は注目度を高める要素ではある。でも、それ自体は選手の評価とは無関係。もちろん早いデビューが将来の成功を約束するわけでもない。 だからガンバ大阪の宇佐美貴史に対しても、できるだけクールに見つめてきた。若きタレントだからこそ、評価はより慎重でなければならないと戒めていた面もあった。 例えばU−16アジア選手権での“5人抜き”を見た時は正直興奮した。 ボールを持ったのはハーフライン手前。それもスピードに乗ってパスを受けたのではなく、止まった状態からドリブルを開始した。おまけに目の前には2人の相手選手。なのに、あっさりするっと抜けた。チェンジ・オブ・ペースで上手に2人の間を割って抜き去