ブログをずいぶん長いこと続け、スタイルの試行錯誤をあれこれと繰り返してきたが、「読んだ本について書く」スタイルだけは、まだ発見できずにいる。なぜそれがうまくいかないのか。そのヒントが保坂和志「小説の自由」 小説の自由 作者: 保坂和志出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/06/29メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 208回この商品を含むブログ (151件) を見るの中にあったので、膝を打って同意した箇所をまず引用する。 だから小説は読んでいる時間の中にしかない。音楽は音であり、絵は色と線の集合であって、どちらも言葉とははっきりと別の物質だから、みんな音楽や絵を言葉で伝えられないことを了解しているけれど、小説もまた読みながら感覚が運動する現前性なのだから言葉で伝えることはできない。 批評家・評論家・書評家の仕事は「読む」ことだと思われているがそれは間違いで、彼ら彼女らの仕