2月28日、チリ中部沿岸を震源とする地震により、日本では太平洋岸を中心に広い範囲で津波が観測された。幸い、この津波による人的被害はなかったものの、避難指示・勧告が発令された地域の住民の避難率が4割弱であったことが明らかになった。 教訓として、津波の危険性の周知、知識の普及啓発はもとより、予想される津波の高さに応じて市町村が適切に避難指示等を発令できるよう2段階などの避難対象地域を示した津波ハザードマップの作成・公表が必要であることが認識された。 津波とは何か、津波はなぜ恐ろしいのかを理解し、避難の大切さをあらためて考える。 天気予報を見ると毎日、波(波浪)の高さが予想されている。天候がさほど悪くなくても、2m や3m の高さは珍しくなく、その波の高さで海岸付近に住む人々が避難することはない。しかし、2月にチリで発生した地震による津波では、津波の高さが3m と予想された海岸をもつ36市町村全