季節ごとに取り換える客室の掛軸。 じっくりと掛軸を見ることもありませんでしたが、あらゆる経済活動がストップした非常事態宣言下、ひょんな機会を頂くこととなりました。今まで気にも留めなかった掛軸の各部位・・・その名前を知ることになりました。 花咲か爺さんの掛軸。 桜の季節になると、必ず掛け替える掛軸です。 絵画の描かれた中心部分を「本紙(ほんし)」と言います。材質が紙のものを紙本(しほん)、絹のものは絹本(けんぽん)と呼びます。花咲か爺さんの頭上に、横一線の帯が掛かっていますね。この横帯は本紙の上下にあり、一文字(いちもんじ)と呼ばれる裂地です。上下に施された枠のようなもので、本紙の中身を際立たせます。 一文字と同じ柄の二本の風帯!掛軸を安定させる風鎮 掛軸をよく見てみると、上部から二本の縦帯がぶら下がっていることに気付きます。 風帯(ふうたい)と呼ばれる部位で、風になびくことで鳥が飛来して汚