土日出勤や連日の深夜残業といった過重労働,スケジュール通りに進まないプロジェクト,次々に登場する新技術に対応しなければならないプレッシャ,将来のキャリアパスが見えない不安…。ITエジニアを取り巻く環境は厳しさを増す一方だ(図1)。過酷な状況に追い込まれれば,当然,疲れやストレスが溜まり,やがては“こころの病”へと移行する可能性がある。読者自身あるいは読者の周りのエンジニアにも,“こころの病予備軍”は結構いるのではないだろうか。 こころの病やこころの“不健康状態”を,ここでは「メンタルヘルス不調」と呼ぶことにする。 メンタルヘルス不調者はここ数年,明らかに増加傾向にある。財団法人・社会経済生産性本部メンタル・ヘルス研究所が2006年4月に実施した上場企業2150社に対するアンケート調査(回答数は218社)でも,6割以上(61.5%)の企業が「過去3年間で,こころの病は増加傾向にある」と答えて