審査員長:草場純 授賞式のご挨拶でも申し上げましたように、作品を審査員が審査するということはすなわち、受賞作品によって審査員が審査されるという事でもあります。またドイツゲーム大賞を例にとるのはおこがましいのかも知れませんが、敢えて範にとらせて頂ければ、賞の流れがゲームシーン全体の流れを作っていく、そこまで言えずとも大きな影響を与えてきた歴史的経緯もあります。その意味では少しも大げさでなく、審査員一同この重責に応えるべく第一回ゲームマーケット大賞の選定に真摯に努力したことは、誇っていいのではないかと考えております。 選定の方針にかかわって言えば、二つの基本的な考え方のせめぎ合いがあり、審査委員内での議論を重ねました。一つは「ゲーマーケット大賞の目的」として公表されている「あまりゲームを遊んだことがない方が、大賞だから遊んでみよう」と思える作品に授賞するという、至極当然の考え方。もうひとつは、