ブックマーク / book.asahi.com (2)

  • リーダー論 透徹した歴史観と責任感と|好書好日

    「絹著色唐太宗花鳥図」(小田野直武筆)に描かれた唐の名君・太宗。飢餓をもたらしたイナゴの害を自ら負うため、イナゴをのみ込んだ『貞観政要』の故事に基づく作品という いつの世であれ、リーダー論の需要は多い。ほとんど全ての仕事がチームでなされる以上、リーダーシップが必要不可欠になるからだ。ビジネス書のコーナーに行けば類書がうずたかく積まれているが、当に役立つのはリアルな世界を生き抜いた歴史上のリーダーたちの事績を紐解(ひもと)くことではないか。 まずは『貞観政要(じょうがんせいよう)』。中国4千年の歴史の中で、平和で安定した盛世はわずかに4度。そのうちの一つ「貞観の治」を現出させた唐の太宗(たいそう)・李世民と臣下の問答をまとめた書だ。ここに描かれているのは、ひたすら臣下の厳しい進言に愚直に耳を傾ける君主の姿である。ごまをすることなく「王様は裸である」と直言する部下を持たないとリーダーは務ま

    リーダー論 透徹した歴史観と責任感と|好書好日
  • コラム別に読む : きずなと思いやりが日本をダメにする [著]長谷川眞理子、山岸俊男 - 永江朗 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    精神論は有害だ 心がけで背は伸びない。以前、養老孟司さんから聞いたことばだ。ぼくの座右の銘にしている。世の中、精神論は役に立たない。 長谷川眞理子と山岸俊男の『きずなと思いやりが日をダメにする』を読んで、精神論は有害だとあらためて思う。 テーマとなるのは、少子化、空気といじめ、差別と偏見、グローバリズムと雇用など。並べるだけで気分がめいる。 これを長谷川は進化生物学の知見で、山岸は社会心理学の知見で読み解く。聞き手・話し手の切り替えぶりが巧みで、一気に読ませる。 人間が知性を持ったのは社会なしに生存できないから。人間の脳は他者の心を読もうとしてしまう。周囲の視線を気にしたり、集団内の裏切り者を見つけ出したりする能力を持つ。ふたりの対話からこうした特性が見えてくる。その起源は有史以前、農耕・牧畜をはじめた1万年前にさかのぼる。 脳は心がけでは変わらない。ぼくたちの脳に染みついた特性に従って

    コラム別に読む : きずなと思いやりが日本をダメにする [著]長谷川眞理子、山岸俊男 - 永江朗 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
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