今回は、TOC思考プロセスの全体像を紹介する。前回、TOC思考プロセスは、組織・システムにおける問題の根本原因を「制約」と捉え、その制約を解消する方法を考えられるようにする、体系的なアプローチであることを記した。今回はそのアプローチについて、詳しく紹介していく。 三つの問いに答える TOC思考プロセスでは、以下の三つの質問に答えることがゴールとなる。それは「何を変えるのか?」「何に変えるのか?」「どう変えるのか?」である。これらの質問への答えを一つの体系的なモデルとして整理したものを「U-shapeモデル」と呼ぶ(図1)。 U-shapeモデルとは、後述するTOC思考プロセスのツールをすべて論理的にひも付けた、いわば変革のロードマップである。このロードマップの論理構造に沿って質問に答えていくことで、現在の問題と根本原因となる中核問題、解決策の方向性、そしてその解決策のアクションプランを得ら