2輪車世界2位、船外機は世界最大手のヤマハ発動機はかつてない経営危機に陥った。2009年12月期には2161億円の最終赤字を計上。国内では12工場を7工場に集約し、800人規模の希望退職を募るなど、大規模なリストラに踏み切る。2輪車と船外機の部品の共通化といった従来の事業の枠組みを越えた取り組みにも着手する。 ところが同社はラグビーやサッカー、モータースポーツからは撤退しなかった。独自の企業文化を守るために、企業スポーツが欠かせないと判断したためだ。 「はい、ヤマハ発動機・五郎丸です」 ヤマハ発動機のとある部署に電話をかけると、低く太い声が返ってくる。五郎丸 歩――。3年前までフルバックとして、常勝軍団・早稲田大学ラグビー部を牽引した、学生ラグビー界のスーパースターだった人物である。ちょっとしたラグビー好きなら、まず知らない人はいないだろう。 「すべての選手を社員とします」 2008年春に
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