外務省を動かした竹島問題研究会。会合を重ね、竹島での漁労の実態などを報告書にまとめている=平成26年3月、松江市日本の危機管理能力の脆弱(ぜいじゃく)さが、アフガニスタンでの邦人らの退避問題で再び露呈した。これはコロナ禍に続く失態で、国民は国家としての日本の凋落(ちょうらく)を目撃してしまった。だがそれよりも驚きだったのは、失政が続いても、日本国民には不満を伝える術(すべ)がないことだった。これが韓国や中国なら、国民が広場を埋め尽くしていたはずである。この違いは何に由来するのだろうか。 はびこる封建制と郡県制の悪弊日本はキリスト教文化圏にもイスラム教文化圏にも属さない。教科書的にいえば儒教文化圏に入るが、その儒教文化圏には、地方分権的な「封建制」と中央集権的な「郡県制」の2つの体制があった。今、日本が遭遇している状況は、韓国や中国などの中央集権国家では経験することのない世界である。日本のよ