ブックマーク / note.kishidanami.com (9)

  • 家を出るダウン症の弟にはなむけをしたら、えらいことになった(総集編)|岸田奈美|NamiKishida

    キナリ★マガジンで5ヶ月間、10万文字にわたって連載してきた「姉のはなむけ日記」を、9000文字にギュッとして書いた総集編です。全文、無料で読めます。 ゾッとした。 この二年間で、ばあちゃんは認知症になって施設で暮らしはじめ、車いすに乗っている母は心内膜炎で死にかけ、わたしは会社をやめて作家業についた。 ダウン症で4歳下の弟だけは、実家で暮らし、福祉作業所へ通って手仕事をし、マイペースを貫いていた。 ふと立ち止まって、ゾッとしたのは。 この先、わたしや母の身になにかあれば、弟がひとりぼっちになるということ。 わたしですら、ばあちゃんの介護がはじまったとき、役所で福祉の手続きをしたらあまりに面倒でややこしく、泡吹いて倒れそうになったのだ。 障害があってうまく話せない弟は、ちゃんと頼れるんだろうか。 いざというときに頼れる先は、多いほうがいい。弟は26歳。いい人間関係ををつくるには時間がいるの

    家を出るダウン症の弟にはなむけをしたら、えらいことになった(総集編)|岸田奈美|NamiKishida
  • 「死ね」と言ったあなたへ|岸田奈美|NamiKishida

    ※この記事は、後述の理由により、11月8日(月)23:59まで公開していました。しばらくマガジンのアーカイブとして読めます。 ※死を煽る内容ではないですが、「死ね」という言葉が頻出します。2021年11月8日(月)15:02追記:わたしが一番祈っていた形で、ここに登場する方々のもとに届きまして、もしかしたら先方の優しさかもしれないですし、そりゃそうだと思うんですが、ものすごく、ものすごく深い理解と希望を示してくださいました。届けてくださったみなさん、ありがとうございます。今年の10月、わたしがTwitterで投稿したダウン症の弟の写真に、「ガイジ(障害児)は生きる価値なし死ね」と返信をした人がいました。 その人のアカウントは、わたしだけではなく、障害のある人たちを手当り次第に攻撃するために作られていました。 それから、その人とご家族と、ダイレクトメッセージでやりとりをしました。返信について

    「死ね」と言ったあなたへ|岸田奈美|NamiKishida
  • 弟が大金を稼いだので、なにに使うかと思ったら|岸田奈美|NamiKishida

    岸田家の歴史を揺るがす大事件が起きた。 わが弟が、莫大なお金を稼いだのである。 大金とは、彼が三十年働いて手にするはずの金額だ。 それを数時間で。 田舎の片隅にある剥がれたフローリングの我が家から、絶世の富豪が爆誕した。血統書のない梅吉(犬)も、高貴なチャウチャウに見えてくる。 弟は生まれつきダウン症なので、障害のある人が集まる福祉作業所で、平日の朝から夕方まで働いており、日給は500円だけど昼が450円なので、手取りは50円だということは、一旦、横に置いておく。 富豪が爆誕したのだ。 (※賃金は弟の障害の程度、作業所が受注できる業務の量、通っている人数などの兼ね合いがあり、弟も働くというよりは、みんなで喋ったり、散歩したりすることをなによりの目的にして通ってるので、ゆるく受け入れてくださる福祉作業所のみなさまにとても感謝しています) さて、その気になる稼ぎ方であるが。 手書きカレンダー

    弟が大金を稼いだので、なにに使うかと思ったら|岸田奈美|NamiKishida
  • ワクチンを打ったわたし、心臓を止めない薬|岸田奈美|NamiKishida

    お下がりの洗濯機をいつ持っていけばいいかという連絡を母にしたら、いま病院のレントゲン検査にきているとのことだった。 心臓に人工弁を入れている母は、“念のため”の検査がやたらと多い。いつも飄々とした外科医の先生が「うん、今日も異常なっしーん」と壁に貼りつけた検査の書類を見ながら、もう当り前に決まってたことかのごとく言ってくれるのだが、超弩級な心配性の母は、いつもあれこれと質問をする。 その質問が、なんか、天王寺動物園のトラの背中にマウンテンゴリラが乗って檻から逃げ出した想定の避難訓練というか、とにかく「そうはならんやろ」と言いたくなるような想像の産物なので、母はだいたい「そうはならんのですよ」と先生に笑われて、すごすごと診察室をあとにすると言う。 「もう病気はいやや、ピンピンコロリがいい」 母が電話で、さめざめと泣いた。 「すでに病気で二回死にかけとるから、あなたの場合はピンコロ ピンコロ

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  • みんなのお金で、3月21日にでっかい新聞広告を出したかったわけ|岸田奈美|NamiKishida

    最後まで読むと、なんと読者プレゼントなるものがあります。あと屋さんに勤めている人にもお願いしたいことがあります。3月13日追記)広告の掲載エリアは、東京版(埼玉・神奈川・千葉の一部を含む)を予定しています!見れない地域の方が多いので、見れた方はぜひ、写真などUPしてくださると嬉しいです! 人生で一度は、札束の風呂に肩までつかりたいとまでは言わずとも、お金の使いみちに悩んでみたい。 みりんと、みりん風調味料の値段を見比べて、いつも後者を手にとってしまうわたしは、常々そう思っていた。 そのわたしが、まさにいま、お金の使いみちに悩んでいる。 こんな日が来るとは思わなかった。 なんのお金かというと「全財産を使って外車買ったら、えらいことになった」というnoteを書いたら、読者さんたちから集まったサポートだ。 (※母の入院にともなってガッと増えたサポートは、もちろん母の療養生活と祖母と弟のために全

    みんなのお金で、3月21日にでっかい新聞広告を出したかったわけ|岸田奈美|NamiKishida
  • 全財産を使って外車買ったら、えらいことになった|岸田奈美|NamiKishida

    12月19日 追記 こちらの記事が、とんでもねえ経緯と熱量で、英語ほか10言語に翻訳されました! 英語翻訳された奇跡の舞台裏note 英語翻訳版の記事 全財産の内訳は、大学生の時からベンチャー企業で10年間働いて、したたり落ちるスズメの涙を貯め込んだお金と。 こんなもん、もう一生書けへんわと思うくらいの熱量を打ち込んで書いたの印税だ。 それらが一瞬にして、なくなった。 外車を買ったからだ。 運転免許もないのに。 「調子乗ってんなよお前」と思った人も、「どうせ“わたしのマネをすれば秒速で車が買えるんですよ”ってやばいビジネスに誘うんだろ」と思った人も、一旦、聞いてほしい。 わたしは、わたしなりに、誇らしい使い方をしたのだ。 あまりにも誇らしいので、一連の流れを12月6日放送の「サンデーステーション(テレビ朝日)」で取材してもらうことになったけど、時間が限られているTVでは、わたしの当の思

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  • 24歳の弟は、字が書けない(はずだった、怪文書を読むまでは)|岸田奈美|NamiKishida

    わたしの弟・岸田良太には、生まれつき知的障害がある。ダウン症だ。(詳しくは「弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった」に書いた) 言葉がうまく伝わらない、発音もわかりづらい、みんなと同じことができない、いつもぼーっとしている。 でも、だめなところばかりじゃない。 玄関にを脱ぎ散らかし、母からいつも「あんたはムカデか」とお叱りを受けるわたしに比べ、よっぽど弟の方がきれい好きで、しっかりしてる。 難しい言葉はわからんが「ありがとう」「こんにちは」だけはハッキリ言えるので、すれ違う近所の人たちに挨拶と愛想を振りまきまくる弟は、愛されている。 先日もこのわたしを差し置き、内緒でからあげクンをオマケしてもらっていた。 わたしと弟で同じふるまいをしても、わたしは「アホ」で片づけられ、弟は「お調子者」と呼ばれる。後者がちょっと得をしている気がする。 かれこれ24年間、弟はずっとそんな感じで、楽しそ

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  • [跡地]24時間で消えるnote〜一世一代の大告白を受けた〜|岸田奈美|NamiKishida

    2023年6月25日 追記 マガジン整理してて入れ直したら、更新通知扱いになってしまいました…。公開時から内容変わってません、すみません。 ※ここには2020年7月28日19:06まで「一世一代の大告白を受けた」という記事がありました。たくさんの人に読んでいただきましたが、24時間で消えるからこそ書けたものだったので、ここは跡地となります。

    [跡地]24時間で消えるnote〜一世一代の大告白を受けた〜|岸田奈美|NamiKishida
  • 歩いてたら30分で6人から「ケーキ屋知りませんか?」ってたずねられた|岸田奈美|NamiKishida

    これは、あなたのために書いている。 春から大学生や社会人になって、新しい環境にドキドキして。 大変なことが起こっている世の中で、将来や収入に不安を感じて。 家族や友人のいない都会で、漠然と寂しくなって。 そんなあなたのために、書いている。 ちなみにわたしは、このどれにも当てはまらないが「明日の運転免許試験の練習のために路上教習を受けに行ったら、縦列駐車に20回以上失敗して“もう勘でいきましょう”と教官から冷静に言われ、ヘトヘトに疲れきり、自由が丘の裏路地の階段でうなだれていた」せいか、そんなあなたに見えてしまったらしい。 はじまりのお姉さんたち 「すみません。いまから友だちの集まりっていうか、ちょっとしたホームパーティがあるんですけど、バースデーケーキ買えるところ探してるんです〜〜〜!このあたりで美味しいケーキ屋さん知りませんか?」 顔をあげたら、きれいなお姉さんが二人いた。 まず知らん人

    歩いてたら30分で6人から「ケーキ屋知りませんか?」ってたずねられた|岸田奈美|NamiKishida
    takamurasachi
    takamurasachi 2020/05/25
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