東浩紀氏と言う現代思想の専門家がいる。批評家・作家と言う方が良いのかも知れない。最近、氏が「一般意志2.0」を提唱しだした。 著名人の最新作なので、精神科医の斎藤環氏などの書評は色々出ている(朝日新聞社の書評サイト)。ウェブ学会の動画などで、東浩紀氏の説明も見る事ができる。 それらによると、「一般意志2.0」は、フランスの思想家ルソーが提唱した概念である「一般意思」を、インターネット上のデータから特定アルゴリズムでロボットが機械的に汲み上げ、それを政治に反映させようと言う事のようだ。ソフトウェア技術者から見ると、「一般意志2.0」は素人の妄想にしか思えない。 まず、ルソーが主張した「一般意志」が存在するか否かが分からない。「一般意志」は有権者全員と意見を相違する可能性もある、浮世を超越した何かだからだ。人々が好き勝手な思いで何かを主張しているソーシャル・ネットワークから、それら全てと相反す