本稿は@berohashi氏の twitter における質問 «ちなみに『日蝕』はどこがパクリなんでしょうか。「何となくパクリだと思った」ってことでしょうか » に答えてのものである。 以下の表は「鏡の影」第十章から第十五章までのプロットを、「日蝕」全体のプロットと比較したものである。あくまでプロットの流れがほぼ一致していることを示すためのもので、個々の要素を対照した訳ではないので、ご注意いただきたい。重複するモチーフ、記述については註として指摘した。 ページ番号は『鏡の影』講談社文庫版2009、『日蝕』新潮社1998による。 一言お断りしておくなら、プロットの借用自体は格別問題はない。プロットは語られることではじめて作品になるので、別様に語られれば同一のプロットも別の作品となる。従って、そのこと自体は批判に値するとは最初から思っていない。もし新潮社が、十年前に私が公にしたような行為をし