さて、これまで見てきたように、中国の動漫(アニメ・漫画)産業を語る上で欠かせないのが、国家広播電影電視総局(国家広電総局)の存在である。 調査を進めるうちに私はふと思った。 動漫をめぐる国家広電総局の施策はあまりに規模が大きく、国家レベルの事業である。広電総局にここまでの力を持たせるからには、背景にさらに上のクラス(この場合は国務院か中共中央組織)の意思決定があるのではないか? もちろん、中国国家アニメ基地の運営に関する管轄は、広電総局に任せるということを国務院は2004年12月に決定している。しかし、その後の政策の方向性や思想性に関して、広電総局が一人で決められるはずがない。 そう思い、国務院の通達をくまなく調べていたら、やはり、あった。 日本動漫を「国際敵対勢力」と位置づけた政府文書 2004年2月26日、中共中央と国務院の両方の名において、〈未成年の思想道徳建設をさらに強化改善するこ