全国学力テスト 「抽出」で失った貴重なデータ(8月2日付・読売社説) 児童生徒の学力を正確に把握し、全国規模で蓄積されたデータを国や学校現場が指導の改善に生かすには、すみやかに全国学力テストを全員参加方式に戻すべきだ。 文部科学省は、4月に実施した4回目の全国学力テストの結果を公表した。全員参加を前提とした過去3回と異なり、今年から全国の小中学校の約3割を抽出する方式に変わった。 ただ、抽出に漏れた学校の希望参加は認められた。最終的に全体の7割を超す約2万3800校が参加し、小学6年、中学3年生の計約163万人が、国語と算数・数学の問題に取り組んだ。 多くの学校がテストへの参加を望んだ。子ども一人ひとりの答案からつまずきを見つけ、きめ細かな指導につなげる。そうした検証の機会は、すべての学校に等しく提供されるべきである。 国が費用を負担して答案の採点と集計を行うのは、抽出対象の約1万校だけだ