今年に入ってまもなくロシアがウクライナに侵攻し、燃料資源(石油や天然ガスなど)や小麦の価格が供給減によって高騰した。燃料資源はロシアの、小麦はウクライナの重要な輸出品だったからだ。 だが、著者は、観察されたデータに基づいて、欧米のインフレは2021年春から始まっており、戦争が世界的なインフレの主因であるという「常識」をあっさり否定している。むしろインフレの「真犯人」は、新型コロナウイルス感染症によるパンデミック(世界的大流行)であると。つまり、2年間の巣ごもりのあと、リモートワークに慣れた労働者は工場やオフィスに戻らず、働き手の減少によってモノやサービスの供給が減った。ステイホームに慣れた消費者も以前の消費の現場に戻らなかった一方で、一部の品目に需要が集中し、生産が追い付かなくなった。このような需給バランスの変化がインフレの一因になったことは間違いないだろう。 このような供給サイドが原因の
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