これとは対照的に、企業内の新規事業の場合、個々の案件がそれぞれ有望であることが求められる。割引キャッシュフローがプラスとなる案件には投資され、マイナスとなる案件にはそもそも投資されない。そして「すべての投資を成功させる」という基準を設けると、大きな賭けは行われない。なぜなら、大きなリターンが見込めるが不確実なアイデアについて、確実かつ詳細な財務予測を立てることはとても困難だからだ。したがって企業は、投資資金を次のように振り分けることになる。 企業が投資した新規事業は、いずれも何かしらの成果は上げている。5社がプラスのリターン、2社がプラマイゼロ、3社が若干のマイナス(だが甚大な損失額ではない)という結果である。 すべての投資を成功させようとすると、2つの隠れた落とし穴にはまってしまう。まず、上記の例で明らかなように、たとえ手堅い投資をしたつもりでも、すべての案件が利益を生むことは稀である。
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