質的研究論文の評価 質的アプローチは、量的アプローチとは研究の枠組み、目的、手続き等が異なるため、研究論文の評価の基準も別に考えなければなりません。質的研究論文の評価基準については、研究者の間で様々な見解が提案されています。ここでは、質的研究法について多くのすぐれた著書のある英国Open Universityの教育社会研究学科教授マーティン・ハマスリーの最近の見解を基にして説明します[Hammersley, M. (1998). Reading ethnographic research (2nd ed.). London: Longman]。彼は、まず、質的研究論文の備えるべき基本的な構成について論じ、その後で、評価基準として「妥当性」と「関連性」の2つの柱を提案しています。 質的研究論文の構成 すでに「入門編 ステップ6」で触れましたように,質的研究の論文は,少なくとも評価に値するため