高見順は、いまでは言及されることも少なくなった小説家だが、彼の戦後の代表作の一つに、「いやな感じ」という長編小説がある。 主人公「俺」は、時代の閉塞(へいそく)感にいらだつ反インテリの労働者。軍部の独善性には反感を抱いている。しかし、それまで反政府思想の中心だったマルクス主義に対しては、帝大生ら…
「まずは自分が産めよ」。女性蔑視のヤジが問題になった東京都議会で、塩村文夏(あやか)都議(35)はそんな言葉を聞いたという。大阪市議会では村上満由(まゆ)市議(29)が一昨年、出産した。直面したのは産休制度がなく、妊娠・出産への嫌がらせも横行する議会の現実だった。強固な男社会の議会が問われている。■産休制度なし 「出産謝れ」発言も 「議会の女性軽視は根深い。もっと仲間が増えて欲しい」。都議会のヤジ問題に、村上氏=中央区選出、大阪維新の会=はそう考えずにいられなかった。 2011年4月に初当選し、直後に結婚。4カ月後に妊娠が分かり、市議会の産休制度を調べようと規則を見て驚いた。「出産という言葉がどこにもない」。市議会事務局の担当者は「明確な規則はない」と打ち明ける。 市議の出産は、市議会初のケースだった。村上氏は「子育て現役世代の女性が議員になり、出産することを規則が拒んでいるかのようだ」と
【ロンドン=内藤泰朗】安倍晋三首相は30日付の英紙フィナンシャル・タイムズに、「私の『第3の矢』は日本経済の悪魔を倒す」と題した論文を寄稿し、経済再建なしに財政の健全化はあり得ないと述べて、日本経済の構造改革を断行する考えを表明した。 首相はまず、改革の例として今年、法人税率を2・4%引き下げたほか、数年で20%台に減らすことを明らかにし、「それは成長を助け、外資を呼び込むことになる」と強調。規制の撤廃のほか、エネルギーや農業、医療分野を外資に開放することを言明した。 さらに、今年4月の消費税増税でも、「影響は限定的だ」として、少子高齢化社会で経済成長を続けられるか否かについては「すべての国民の協力」と、「女性の社会進出」が重要だとして、「働く母親のために家事を担う外国人労働者の雇用を可能にする」と約束した。 欧米諸国では、安倍首相が打ち出した「アベノミクス第3の矢」の成長戦略に対し
TPP、集団的自衛権の行使容認といった重要課題を巧みに処理し、安倍晋三首相にもはや怖いものなし。側近議員からは「2020年の東京五輪も安倍政権で」という威勢のいい声すら聞こえる。 「首相側近議員の間では“自民党総裁の任期を現在の3年から4年に改正すべきだ”という声が強い。任期を延ばして安倍長期政権を担保したいわけだ。政府にも党内にも首相を諌める存在はほとんどおらず周囲は茶坊主ばかり。わずかに首相に意見できる菅義偉官房長官に対して茶坊主議員から“菅を官房長官から外せ”という声が上がっている始末だ」 自民党代議士はそう言って眉を顰める。 首相の武器は円安、株高による内閣支持率の高さだが、読売新聞が首相を応援していることも大きい。今年2月に読売新聞が他紙に先駆けて報じた内閣改造は、その典型だ。 「首相が今夏に内閣改造を検討していると報じたことで、党内の反安倍の動きにブレーキがかかった。TPP、集
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