その転勤、笑えますか? 辞令1枚で家族の人生が変わるのは、仕方ないことなのか転勤は「育成」でも「玉突き」でも、受け入れざるを得ない。その陰で、家族は「残る」か「動く」かの選択を迫られる。ひとりの社員を動かすとき、それぞれの事情に会社はどこまで配慮できるのか。 ある東証一部上場企業では、毎年8月ごろになると、東京本社に「別室」ができる。入り口はパーテーションで目隠しされ、中の様子をうかがい知ることはできないが、そこには巨大なホワイトボードが設置されている。翌年3月に内示がある、年に一度の定期異動の準備のためだ。この部屋で、数百人規模の「転勤パズル」が組まれるのだ。 育成転勤と玉突き転勤労働政策研究・研修機構は2016年11月、転勤の実態調査を発表した。転居を必要とする人事異動がある企業の割合は約3割(2004年)で、大企業ほど転勤が多かった。単身赴任者は年齢が高いほど多い傾向があり、50代男