東海、東南海、南海地震などが同時発生するマグニチュード(M)9級の「南海トラフ巨大地震」について、国の二つの有識者会議は29日、地震・津波による死者数や建物被害、津波の浸水域、津波高を公表した。 死者数は最大で32万3000人にのぼり、都府県別では静岡県が10万9000人で最多。原因別では津波による死者が最も多く23万人。建物被害により自力で脱出できず、救助が必要になる人は31万1000人と推定された。 全壊したり、焼失したりする建物は最大の場合、238万6000棟。浸水域は最大で1015平方キロ・メートルと東日本大震災(561平方キロ・メートル)の1・8倍になる。 この巨大地震は、最新の科学的知見をもとに、南海トラフ沿いで起こりうる最大規模の地震・津波として想定された。有識者会議は今年3月に各地の震度分布や津波高を公表したが、今回はより精度よく震度や津波高を計算し、浸水域も求めた。さらに