遺産日本一といわれた松下幸之助が遺した2450億円は、どうなったのか。7月16日に99歳で亡くなったパナソニック(旧松下電器産業)の2代目社長、松下正治氏の社葬が9月13日に行われ、正治氏が受け継いだ莫大な遺産のその後が気にかかる。社名から「松下」が消え、影がうすくなった一族だが、ある社葬参列者は「立派な葬儀で、さすが創業家と感じた」という。松下家は、依然として日本を代表する“華麗なる一族”のようだ。 相続税額854億円 2005年度まで高額納税は公示されたので、1989年4月に94歳でなくなった幸之助の遺産総額が2450億円だったことは広く知られている。歴代トップ。相続税額も854億円と莫大だが、これはブリヂストンの創業家、石橋幹一郎氏の1135億円に次いで2位。幸之助の妻が健在で、配偶者控除があったからだ。 幸之助の遺産の97%以上が当時の松下グループ株だった。相続当時の松下電器産業(