【多事蹴論(6)】2006年ドイツW杯に臨んだ日本代表は「史上最強」と言われながらも1次リーグを1分け2敗で敗退した。現役時代に“サッカーの神様”と呼ばれた元ブラジル代表10番のジーコ監督をもってしても決勝トーナメント進出はかなわなかったが、当時のチーム内では様々な惨敗の原因が指摘されていた。 その一つがW杯開幕前、ドイツ・ボンでの合宿中に起きた“事件”と言われている。キッカケはDF田中誠が左ハムストリングの肉離れで代表を離脱したことだ。このアクシデントにジーコ監督はDF茂庭照幸を追加招集。ハワイで休暇中だった茂庭は、わずか1日の滞在でオフを切り上げて日本代表に緊急合流したが、その初日だった。 チームスタッフらによると、宿舎入りした茂庭はディナータイムの食事会場でイレブンと久しぶりに対面。もともと明るいキャラクターと軽妙なトークが持ち味とあってチームメートも茂庭のテーブルに集結し、談笑する