安倍晋三元首相が奈良市内で街頭演説中に銃撃され死亡した事件で、殺人の疑いで送致された男性(41)が背後から接近して銃のようなものを発砲したことをめぐり、警備体制に不備がなかったのかどうかが問題となっている。 報道によると、松野博一官房長官が7月11日、警察庁から「地元警察の対応のみならず、警察庁の関与のあり方も含め、警護・警備に問題があったと認識している」との報告を受けたことを明らかにした。7月9日には、奈良県警察本部の鬼塚友章本部長が、会見で「警護、警備に関する問題があったことは否定できない」と述べていた。 また、事件発生直前の警備状況について、札幌で安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばすなどした人たちが複数の警察官に排除された事件(ヤジ排除事件)の影響を指摘する声もある。 この事件をめぐっては、警察側の行為は「違法」だとして、札幌地裁が3月25日、北海道側に約88万円の支払うよう命じる判決