北海道全域でレールの異常を放置していたことが明らかになったJR北海道は22日、9カ所の異常を公表した21日の記者会見には姿を現さなかった野島誠社長が「保線の方法について風土や考え方が不足していた」と、企業体質の問題を認める事態に追い込まれた。 野島氏は、冒頭に「多くの皆さまに多大な迷惑をお掛けした」とこわばった表情で謝罪し、深々と頭を下げた。 「お客さまにこれだけの不安を持たれることは大変申し訳ない」。安全を最優先にするべき鉄道会社のトップは力を失った声でひたすら反省の弁を繰り返したが、引責辞任の可能性に質問が及ぶと、きっぱりとした口調で否定した。 約2時間半に及んだ会見では、レールの異常が長期間にわたって放置され続けてきた理由に質問が集中したが、会見に同席した幹部は「失念していた」「他の作業を優先した」などと歯切れの悪い釈明に終始した。