人口比例に基づかない区割りで選挙区ごとの「一票の格差」を是正しないまま行われた6月の東京都議選は憲法違反だとして、元最高裁判事の泉徳治弁護士(74)が、居住地の練馬区選挙区の無効を求めた訴訟を東京高裁に起こした。 2日に高裁(大竹たかし裁判長)で開かれた第1回口頭弁論で、被告の都選管は「都議会の裁量権を逸脱しているとはいえない」として請求棄却を求めた。 最高裁判事経験者が原告となり、訴訟を起こすのは異例。泉氏は提訴の理由を「都議会は長年、この問題を放置しており、是正を促す絶好の機会と考えた」としている。 泉氏は最高裁事務総長や東京高裁長官を経て平成14年に最高裁判事に就任。国政選挙の「一票の格差」訴訟の審理に3度加わり、いずれも「違憲」との反対意見を述べていた。 都条例は都議選の定数を127と規定。訴状によると、22年国勢調査に基づく議員1人当たりの人口は、42選挙区のうち島部を除くと千代