菊池です。CCS Injection脆弱性(CVE-2014-0224)発見の経緯について紹介します。 バグの簡単な解説 OpenSSLがハンドシェーク中に不適切な状態でChangeCipherSpecを受理してしまうのが今回のバグです。 このバグはOpenSSLの最初のリリースから存在していました。 通常のハンドシェークでは、右の図のような順序でメッセージを交換します(RFC5246 The Transport Layer Security (TLS) Protocol Version 1.2 §7.3より作成)。 ChangeCipherSpecは必ずこの位置で行うことになっています。OpenSSLもChangeCipherSpecをこのタイミングで送信しますが、受信は他のタイミングでも行うようになっていました。これを悪用することで、攻撃者が通信を解読・改ざん可能です。 発見の困難さ
インターネットの利用が普及した現在、その利用方法で最も一般的なものとして挙げられるのはWebとメールだろう。言い換えれば、インターネットを利用するアプリケーションの中で、最も普及しているのはWebブラウザとメーラである。Internet Explorer(以下、IE)やNetscape Navigator(以下、NN)などのメジャーなWebブラウザのほとんどが「SSL対応」という形で、また、OutlookやNetscape Messengerといった主要なメーラは「S/MIME対応」という形でPKIの実装がなされている。 今回は、この最も身近なPKIの実装ともいえるSSLについて見ていきたい。 “セキュア”な通信を実現するSSLとは? SSLとはSecure Sockets Layerの略で、Netscape Communications社が提唱しているプロトコルだ。現在その仕様はVers
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