ナガイモや生卵、焼き芋用のサツマイモ――。海外で意外な日本の農産物が人気となるケースが増えている。輸出拡大を目指す農林水産省も海外の新たな需要を掘り起こそうと、生産者支援に本腰を入れ始めた。政府は今年の農林水産物・食品の輸出額を1兆円とする目標を掲げるが、最近では伸びが鈍化傾向にあり、再加速のために海外でブームに火を付けられるかが注目される。【神崎修一、台北・福岡静哉】 「日本のナガイモは繊維が細くておいしいから生でも食べられる」。台湾の台北市中心部にある高級スーパーでナガイモを購入した同市の呉招妹さん(70)は満足げな表情をみせた。スーパーの売り場には北海道十勝地方産のナガイモがずらりと並び、買い物客が手に取ってじっくりと品定めする。スーパーの担当者は「台湾でも取れるが、日本産の方が見た目もキレイでおいしい。1本270台湾ドル(約970円)と高価だが、幅広い世…