新型コロナウイルスの感染拡大は学校や職場、地域社会を一変させ、緊急事態宣言の解除後も以前と全く異なる日常が続いている。死者数が4万人を超える英国も、コロナが政治や社会の重大な転換点となりそうだ。1990年代から英国で暮らしているライターのブレイディみかこさん(55)が語った。 サッチャー主義否定した首相発言に驚き ブレイディさんが住む英国では、日本の緊急事態宣言前の3月23日に都市封鎖(ロックダウン)が始まり、6月に入った現在は段階的な緩和が進められている。ボリス・ジョンソン首相自身、3月にコロナ感染が判明し、一時は集中治療室に入るまでに悪化したが4月に退院、職務復帰した。退院時の国民に向けたメッセージでジョンソン首相は、自らの命を救った公的医療事業「国民医療サービス(NHS)」への感謝を強調した。 コロナ禍を機に、欧州連合(EU)離脱を巡って二分された英国社会に「医療従事者ら社会を支える