丸川珠代五輪担当相は21日の閣議後記者会見で、東京オリンピック・パラリンピックが中止になった場合の損失について問われ、「大会組織委員会が資金不足に陥った場合は東京都が補塡(ほてん)する。都の財政規模を踏まえると、都が補塡できない事態は想定しがたい」との認識を示した。 組織委は現在、チケット収入900億円を含め、7210億円の収支均衡の予算を組んでいる。スポンサー収入などに頼っ…
高濃度の放射性物質を含む汚染水対策に追われている東京電力福島第1原発。4月に処理水の約2年後の海洋放出が決まったが、新たな課題が浮かび上がっている。10年前、建屋の地下にためる汚染水への対応として緊急投入された土のうだ。当時の対応が、ここに来て廃炉作業の足かせになっている。【岡田英】 袋劣化、高線量の軽石散乱も 事故を起こした4号機の南側に並ぶ二つの建物。ともに地下2階まであり、高濃度の汚染水計7800立方メートルがたまっている。問題の土のうは、その中に沈んでいる。 事故直後、1~3号機の原子炉では炉心が溶ける「メルトダウン」が起き、溶け落ちた核燃料を水で冷やしたため大量の汚染水が生じた。当時、今のように敷地内に汚染処理水をためるタンクや放射性物質の濃度を下げる装置はなく、東電はこの二つの建物の地下を急きょタンク代わりにした。その際、地下2階の通路に土のうを並べた。
魚が取れないのは地球温暖化が一因――。政府が気候変動を意識した漁業対策の策定に本格的に乗り出す。乱獲防止が主眼だったこれまでの水産行政から転換し、地球温暖化を見据えた対策作りに軸足を移す。あらゆる産業セクターで温室効果ガス削減を求められる中、漁業の世界でも「脱炭素」が加速しそうだ。 「海の中で大激変が起きている」。水産庁の幹部は、近年の温暖化の影響について、こう語気を強める。気象庁によると、日本近海の海面水温(年平均)は2020年までの100年間で1・16度上昇した。日本に近い大陸の内陸部の気温上昇率が大きく、その影響を受けている可能性があるといい、世界全体の海面水温の上昇幅(0・56度)を上回っている。 これに伴い、海中の温度も上昇している。気温の上昇は農作物の生産にも影響するが、水産庁幹部は「気温と水温では『1度上昇』の重みが全く違う」と指摘。温暖化に伴う環境変化を踏まえた漁業政策に転
今年は例年になく梅雨入りが早い。本来なら5月はからりと晴れた爽やかな日が続くはずだが、東海以西は早くもじとじととした梅雨の季節に入った。中でも四国や近畿地方は観測史上最も早い梅雨入りだ。なぜこんなに早いのか。そして梅雨入りが早いと、梅雨明けも例年より早まるのだろうか。 今年の梅雨入りは、四国(5月15日)と近畿(16日)がいずれも1951年に統計を取り始めてから最も早かった。九州南部(11日)と九州北部(15日)、中国(同)、東海(16日)もそれぞれ2番目の早さだった。沖縄、奄美以外は平年より20日前後も早く、季節が一気に進んだ印象だ。 気象庁によると、今年の梅雨入りが早いのは上空の偏西風が蛇行し、日本付近で平年より北を流れていることなどが要因という。
大阪市保健所で新型コロナウイルス対策の中心的な役割を担う職員のうち、3分の1にあたる43人の4月の時間外労働(残業)が、「過労死ライン」とされる月80時間を超え、最長210時間に上っていた。松井一郎市長は20日、報道陣の取材に「昨年から態勢を強化してきたが、結果としてマンパワーが足りず、現場の職員には申し訳ない」と述べた。その上で、「ワクチンが広がるまで態勢を縮小することは…
イスラエル軍に空爆され、倒壊した集合住宅=パレスチナ自治区ガザ地区ガザ市で2021年5月16日午後1時3分、三木幸治撮影 地鳴りのような音が夜の闇に響く。鼓膜を震わせるドドーンという衝撃音を耳にするたび、頭上に岩石が落ちたような錯覚に陥る。私が取材を続けているのはパレスチナ自治区ガザ地区ガザ市。ここを実効支配するイスラム組織ハマスの幹部らに対し、イスラエル軍が連日の空爆を続けている。「また始まったか」。市民はその音を聞き、今日も眠れぬ夜が来ることを覚悟する。空爆下のガザで今、何が起きているのか。 「ハマスがロケット弾をエルサレムに放った。大変なことになる」。ガザ市にいる私のもとに、毎日新聞エルサレム支局の助手からメッセージが入ったのは5月10日午後6時ごろ。いやな予感が的中した。4月以降、イスラエルではユダヤ人とパレスチナ人の衝突が激しくなっており、ガザも緊迫していたのだ。
厚生労働省は20日、米バイオ企業モデルナ社製と、英製薬大手アストラゼネカ社製の新型コロナウイルスワクチンについて承認することを決めた。厚労省の専門部会が、緊急時などの条件の下で通常よりも手続きを簡略化できる「特例承認」による承認を了承した。田村憲久厚労相が21日に正式承認する見通しで、国内承認の新型コロナワクチンは米ファイザー社製を含めて計3製品になる。 モデルナ製、アストラゼネカ製とも海外では18歳以上が対象で、モデルナ製は4週間、アストラゼネカ製は4~12週間、間隔を空けて2回接種する。モデルナ製は、24日に開設される東京と大阪の大規模接種センターなどで使われる予定。アストラゼネカ製は年齢制限を設けるなどの検討をするため、当面の使用を見送る。菅義偉首相は20日夜、首相官邸で記者団に「ワクチン接種はコロナ対策の切り札。一人でも多くの方に接種でき…
アジア系憎悪犯罪(ヘイトクライム)対策法に署名し、笑みを浮かべるバイデン米大統領=ホワイトハウスで2021年5月20日、AP バイデン米大統領は20日、新型コロナウイルスの感染拡大後に増加したアジア系住民らへの憎悪犯罪(ヘイトクライム)の対策を強化する法案に署名し、対策法が成立した。バイデン氏はホワイトハウスで開いた署名式で演説し、「この1年間、多くのアジア系住民が心の底から身の安全を心配しながら毎日、朝を迎えていた。我々は憎悪や偏見を止めると約束する」と強調した。 対策法に基づき、司法省は憎悪犯罪を統括するポストを新設し、州や郡の捜査当局などから情報を集約するためのガイドラインの策定に取り組む。政府は教育現場などでの啓発活動も強化する。バイデン氏は「報告されるヘイトクライムの件数が実態よりはるかに少ないことは致命的な問題だ。政府を挙げて取り組みを強化する」と述べた。
厚生労働省の専門部会が20日、米モデルナと英アストラゼネカが開発した新型コロナウイルス感染症のワクチンの薬事承認を了承したことで、2月に承認した米ファイザーを含め政府が当初、供給契約を結んだ3社の審査は完了した。世界に遅れる接種の加速につながると政府は期待するが、モデルナ製の実用化は米国から5カ月遅れた。接種が進む国で感染が減少傾向に転じ、ワクチンの重要性が再確認される中、緊急時の対応に教訓を残した形だ。 政府は昨年10月、モデルナと国内供給を担う武田薬品工業と3者で供給契約を締結。米英と欧州連合(EU)で実用化後の今年1月から日本人200人を対象とした国内治験を開始し、武田が3月に薬事承認を申請した。 ワクチンについては…
新型コロナウイルスワクチンを巡り、菅義偉首相が目標として掲げる7月末までの高齢者接種の完了について、政府は全国自治体の約85%が「7月末に完了できる」とする調査結果を12日に公表した。しかし、この数字には「たられば」の前提を積み重ねたからくりがあり、国や自治体に取材すると、現状と乖離(かいり)している実態が浮かんだ。菅政権は東京オリンピックや衆院選を間近に控え7月末の完了に躍起だが、接種の現場を担う自治体からは「このままでは絵に描いた餅」との声も漏れる。 「体制さえ組めば」の調査 「接種をできるような体制さえ組めば、全て(の市町村で)7月末までには終えることができる」。菅首相は7日の記者会見でこう述べた。この「体制さえ組めば」というのがポイントだ。菅首相はこの会見で全国1741市区町村のうち約1000自治体が7月末に完了できるとの報告内容を示し、聞き取り調査をしている段階だとした。約100
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