未曽有の事故を起こした東京電力は、原発を動かせるのか。失い続けた信のつけはあまりにも大きい。 【関連記事】 信もない、出口もない ツケだらけの国策 かつての花形、担い手はどこに? 学生離れ 「信を問う方法は、やっぱり選挙になるんですかね」。2023年夏、新潟県の花角英世知事は酒席で自民党の県連幹部にこう投げかけた。そして、続けた。「そうなった時は自民党さん、しっかり応援してもらえますよね」 花角氏は18年の初当選時から、東京電力福島第1原発事故の原因や健康への影響、避難方法などに関する県独自の検証が終わり次第、再稼働について議論し、東電柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の再稼働に対する自身の見解を表明して「県民に信を問う」との考えを示してきた。具体的な手法は明言していない。県民投票を求める声もあるが、花角氏は「知事選も一つの形だ」としてきた。 柏崎刈羽原発は全7基で出力計821・2万キロ